黄金の噂) アタワルパの部下が黄金を持ってエクアドルに逃げたようだというスペイン人 たちの噂が流れた。その部下のルミニャウイが捕虜にした他の部族の人が黄金 を身につけていていたらしく、その捕虜を利用してルミニャウイが黄金を手に することが出来たという。 その噂の部族は毎日、夜明け前に湖に金製の捧げ物を投げ入れるという。その 部族の長も自らを金粉で飾って、水に飛び込むという。太陽神への供物として 黄金を捧げたということか・・・。そういう噂は未知の土地であるがために更 に誇張されて伝達されるのが常である。そうして黄金郷の伝説は急速に広まっ た。 スペイン語で黄金の人(エル・オムブレ・ドラド)という言葉からエルドラド という場所と言われるようになった伝説を追い求める人達も当然増えることに なる。そしてゴンザーロ・デ・ヒメネス・ケサダ率いるスペイン人らはエルド ラドとして有力と見られるボゴダに到達する。そこは現在コロンビアの高原地 帯で、伝説の湖はガダヴィア湖ではないかと推察していた。 近くに住むチブチャ族は湖に住む神に捧げ物をする習慣があった。また実際に 多くの金細工を持っていたということから、スペイン人らは彼らを征圧して黄 金郷の黄金を手に入れようと思った。しかし、そこは想像していた黄金郷とは 遠いものだった。そこで湖の金細工を引き上げようとしたけれど、それは当時 の技術では成功しなかった。 その後、イギリスのウォルターローリー卿も伝説の都市マノアを追い求めてブ ラジルへ向ったりしたようである。黄金の噂はその当時のヨーロッパ人を魅了 して止まないことだったようだ。 ・・・ 実際のアンデスの遺跡等で発見される黄金の装飾品は目を見張るものがあるの で、全てが根も葉もない空想とは言えない部分がありますが、隠された真実が 見え隠れする状況というのは、人を想像力豊かにするものなのだと今更ながら 思います。                               (KOTONO)